VAIOノートType BXは“ThinkPadの刺客”となるか?

 さて、私が今回のVAIOで個人的に大注目している機種は、一瞬地味にも思えるType BXだ。この機種は、同社のVAIOノートZや、ThinkPad T4xシリーズに代表される、14.1型液晶クラスの高級・スリムノートPCだが、実は他メーカーの機種を合わせても、初搭載されたデバイスが意外と多い。
 代表的なところでは、先日紹介したビデオチップ(GPU)がATI Technologiesの「MOBILITY RADEON X700 HyperMemory」となっており、VAIOノート中最強である点や、14.1V型/SXGA+解像度ディスプレイとしては初の光沢タイプ液晶パネルを選択可能な点などが挙げられる(意外にもこれまでは、SXGA+解像度の光沢タイプパネルはなかったのだ)。

 そして注目している理由は、もう一つある。表題にも書いているのでバレバレだが(笑)、私がこの機種をThinkPadへの“刺客”として作られたモデルと考えているからだ(相変わらず勝手な予想)。
 読者諸兄にはご存じの方が多いだろうが、現在ThinkPadは、発売メーカーの移行(日本IBMからレノボ・ジャパンへ)を受け、ちょっとした地殻変動が起こっている。実際のところ、この影響がどれほどかはまだ計りかねるところはあるが、レノボ・ジャパンの直販サイトで表示される「We Love ThinkPad!」というキャンペーンバナー*1を見る限り、私はある程度の焦りのようなものを感じる。

 こうした情勢のためか、とくに企業ユーザーは、ThinkPadの購入を様子見しているところもあるようだ。そして各種の報道を見る限りでは、デルや日本HPなどがこれを好機と狙い、法人への売り込みを積極的に行っているという。

 こうした背景を前提にType BXを見ると、従来のVAIOノートシリーズとは少し異なった点に気づく。「全身ビジネス・コンセプト」や「すべてビジネスのために」といった文句が並んでいる製品紹介ページからしてこれまでのVAIOノートとは毛色が違うが、ハードウェアの点でも以下のような“ThinkPad対抗な雰囲気”があるのだ。

個人的にはこの時期に出す機種にスティックポインターを搭載するということ自体が、ThinkPadに対する挑戦状のように感じた*3。そして、少なくとも個人的には、「スティックポインターが付いた」という点が決定打となり、次に購入したい機種に浮上したことは確かだ。

 それでも長期間使った状況での操作性や耐久性、サポートといったThinkPadで定評のある点は、Type BXではまだ不透明である。
 個人的にもちょっと耐久性は気になるところだが、性能や価格面などでメリットがあるのであれば、検討には値するだろう。

 そして、Type BXが市場から“ThinkPadの刺客”として認められた場合、VAIOノート全体の製品構成にもじょじょに影響することになるだろう。その意味でも、この機種は注目の一品と言えるのではないだろうか。

#ホントはこの機会に東芝にすごくがんばってほしいのだが……求む、アキュポイント復活!!

*1:余談だが、なぜかカタログページにはこのバナーはない

*2:ただしこれは、前モデルにあたるVAIOノートBシリーズも同様

*3:しかもスティックポインターは、日本で発売されたVAIOノート全体を見ても、C1シリーズとX505シリーズ以来となる