iPad miniのリアカメラ画質はiPad 第三世代のリアカメラ画質より劣る(おそらく個体差ではない)

■本エントリのまとめ
iPad miniiPad 第三世代よりリアカメラの画質(とくに暗所時のノイズ特性)が劣っていた。
●撮り比べの話だけでなく、iPad miniはリアカメラのレンズ口径が小さい。
●レンズ口径が小さいのに明るさ(F値)が同じ2.4ということは、原理的に撮像素子側も小さい可能性が大きい。画質の差はこのあたりにあるのではないか。


 昨日フィーバーの中、私もiPad miniを半分衝動買いで購入したのだが(いわゆるIYHだ)、軽く使い回して、気になる点がいくつかあった。

 最初は「液晶ディスプレイの画素密度がRetina版を見慣れているとやっぱり粗いよな……」だったのだが、それ以上に地味に参ったのが、「現状では、カメラの暗所ノイズがiPad 第三世代よりかなり悪く見える」点。
暗所(といっても少し暗い室内)での実写サンプルを拝見いただきたい(ただし比較のため、一部分を切り出している。そのためEXIF情報ではデータを追えない)。


こちらがiPad 第三世代

そしてこちらがiPad miniである。


 ……けっこう違う、というか、iPad miniコントラストが劣る、いわゆる「安いスマホのカメラ」的な画像に見える。実は私も、てっきり「リアカメラ部はほぼ同じ画質」と信じて疑ってなかったので、これには驚いた。
 最初はノイズリダクションの関係なのか? と思ったが、レンズを見回しているうちに一つ気がついた。 ……これ、レンズの大きさ自体けっこう違うぞ!!


ということで、並べて比較してみた。左がiPad 第三世代、右がiPad miniである。

これではわかりにくいだろうから、画像の明るさを補正し、補助線を引いてみた。こうして見ると、結構違うように見えないだろうか。


 実際には0.5mm前後といったところだが、スマホのカメラにおいて、「似た世代の技術が使われている状況で、レンズ口径が0.5mm違う」というのは、けっこうバカにできない差となる。

 そして、この二者における画質差のもう一つの手がかりとなりそうなのが、レンズの明るさ(F値)が同じ2.4となっている点。実はレンズのF値とレンズ口径は関係が深く、“レンズの明るさが同じなのに口径が小さい場合、高い確率で撮像素子の面積も小さい”のだ(もちろん例外はあるが)。この画質の差は、おそらくこのあたりにあるのではないか。

 ということで、スペック的にはほぼ同じように見える両者のリアカメラだが、画質まで同じというわけではない。これから購入しようと考えている人は心に留めてほしいところだ。できれば、店頭で比較されることをオススメしたい。