AMD製デスクトップCPUのロードマップが更新

DailyTechさんで、Athlon 64シリーズの更新版ロードマップ記事が記載された。
http://www.dailytech.com/article.aspx?newsid=3170

 個人的に意外かつ面白かったのは、従来のロードマップ(上掲記事の下側の画像)から変更が少ない点。乱暴な意見だが、AMDCore 2 Duoに対して、一般ユーザーやショップが考えているほど、慌てている様子はなさそうなのだ。

 従来のロードマップと比べての変更点は、乱暴なまとめ方をすれば、基本的に高性能モデル(MainStream 3やPerformance 1)を中心に、低価格モデルまでで本年後半のモデルナンバーが1ランク程度上昇する程度と言える。

 しかしこれ、実は1MB×2キャッシュ版が出荷されなくなる点や、7月23日予定と噂される価格改定(現在より価格差が圧縮される。詳細は上田新聞さんの記事http://nueda.main.jp/blog/archives/002184.htmlを参照)の影響を鑑みると、実は本格的なCore 2 Duo対抗策と思われている、モデルナンバーの上昇(=高クロック製品の前倒し)というよりは、価格改定による変更が主と想定される。

 高クロック製品の前倒しの前倒しは、今年最後か、2007年の1〜3月時に登場するFX-64から本格的に開始されるようだ。また、2006年末(?)に登場予定のX2 5600+が目立つが、記事本文では1MBキャッシュ版と報道されている。ということで個人的には、このCPUは一種の特別版(FX-62の倍率設定制限版?)のような感じではないだろうかと考える。
 そして、65nmプロセス版のコアは2006年12月初期(限定?)出荷とされているが、こちらも従来より変更はない。

 また、価格の点にしても、Athlon 64 X2は上述した価格改定によって大幅な値下がりが見込まれているが、従来のロードマップと新しいロードマップを価格セグメント(縦方向セルの違い)ごとに見比べると、実は大きな変動はない。
 ただし、価格セグメント自体のに変動がある可能性が捨てきれないが、これを見る限り、実はX2の価格改定も、以前から盛り込まれていた可能性がある。価格改定はCore 2 Duo対抗的な意味が意味があると思っていたので、これは正直驚いた。
 ただし、MainStream 0(おそらく従来のSempron最高グレード程度:CPUの価格は100〜150ドル前後?)というカテゴリが増設され、X2 3800+やシングルコア版が収まっているのが目を惹く(同時に登場が噂される、X2 3600+がないのも謎だが……)。

 ということで、こうした動向を結論づけた私見をまとめると、冒頭の「AMDCore 2 Duoに対して慌てている様子はなさそうだ」という意見になるというわけだ。
 ひょっとしたら、AMDはデスクトップでのむやみな価格競争は捨て、しっかりと儲かる(失礼!!)Opteronを十分に出荷できる姿勢を重視しているのかもしれない。